プロの着付師を目指し始めた頃、
その日は、7歳の女の子の撮影日でした。
写真館にいらした時、とても嬉しそうににこにこされていて、
ヘアをかわいらしくセットされ、
あまりのお紐の苦しさに、驚き固まってしまったのです。
着付師さんが「大丈夫ですか?」と聞いたので、
先ほどまでの溢れる笑顔はすっかりなくなり、最後まで何も言わず
私は、
なぜ、着付け師さんは、あんなにも苦しいお着付けをしたのか?
あの子が着物を嫌いになったかもしれないと思うと胸が苦しくなり
その場にいた他の着付師さんも、なぜ何も言わないのか?
これから私が進もうとしている世界はこういう世界なのかと、
そして翌朝、私は絶対にあんな思いはさせない!あんな着付けはし
今もお着付けに行く時はあの女の子を思い出し、