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補正へのこだわり

補正は寸胴ではない。美しい着姿をつくる理想の補正とは

私には理想の着姿があります。
なで肩ではんなりとした優しい雰囲気の着姿です。

でも人はみな体型が違います。
初めてお客様にお会いして、私がまずすることは、お客様の理想の着姿をイメージすることです。
いかり肩であればなで肩に、お胸のない方はほんのりふくよかに、お腹周りが気になる方はなるべく目立たないように、どこにどれだけの補正が必要かを頭の中で描いていきます。

つまり、あらかじめ決められた補正をするのではなく、お客様の体型をベースに理想の着姿をイメージし、そこから逆算してお客様に必要な補正を割り出していくのです。それが唯一無二の美しい着姿をつくる土台となります。

このように補正の仕方を根本から変えたのは、今から10年ほど前、美容室でお着付けをするようになったことがきっかけでした。
美容室でのお着付けは、それまでの撮影スタジオでのお着付けとは大きな違いがありました。

撮影スタジオの場合、その会社のオリジナル商品が用意されています。着物や帯、着付けに必要な小物はみな同じです。デザインや柄の違いはありますが、素材や厚みは変わりません。

なのでお着付けの際、後から追加される分量は想像ができました。
ですが美容室の場合、ほとんどがご自宅からのお持ち込みです。レンタルの場合もありますが、レンタル会社も多数あり、取り扱っているものも様々です。
伊達締め一本、帯板一枚とってもメーカーによって素材が変われば厚みが変わってきます。
着物や帯の厚みなど全ての分量をトータルすると、仮に10名のお客様でしたら10通りの厚みの差が出てきます。

スタジオ等でやっていたそれまでと同じような補正をしてしまうと、お客様のお持ち込みによって仕上がりが変わってくるということに気がついたのです。
お着付けをする環境が変わったことで新たな気づきがあり、それまでのやり方を根本的に見直しました。
見た目の美しさだけではなく、着心地の良いお着付けをするにはどうしたらよいのか、毎日、毎日、そのことばかり考えていました。

そんなある日、何気なく着物雑誌を見ていました。
色んなモデルさんが掲載されており、着姿のシルエットもお腹周りがへこんでいたり、逆に入れすぎていたり、プロ目線で見ていると着付けにも違いがあります。

その中に私が理想とするきれいなモデルさんの美しい着姿を見つけ、思わず手が止まりました。
「これだ!私がつくりたいのはこれだ!」と思いました。
私には自分が作りたい理想の着姿がある!つまりゴールはすでに決まっている!
ならば、そこから逆算していけばお客様に必要な補正が割り出せる!と閃きました。

お客様の素の体型と、あとから追加される小物たちを足して、理想の着姿から引けば、その残りがお客様に必要な補正になる。

早速、頭の中で描いていたら、「あれっ?今まで当たり前に入れていたこの部分必要かな?」「逆にここは入れた方がいいよね!」と今まで腑に落ちていなかったところが、鮮明にありありと見えてきました。
補正を寸胴にしてしまうと辻褄が合わなくなってしまう。何度やってもその答えにいきつきました。
そうなのです。
補正は寸胴にするのではなく、「着姿が寸胴になるような補正をする。」これが正しい表現だと思います。

山下道子

山下道子

美装流前結び教授・プロ着付師。【主な活動】美装流前結び実演・出張講座・講師育成・出張着付け・プロ着付け師育成

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