七五三シーズンのある日、写真館に可愛らしい7歳の女の子が来られました。
「ああ、この日のためにどれだけ楽しみにしていたのだろう」
そう想像できるほどの溢れんばかりの笑顔です。
髪を可愛くセットされ、いよいよ待ちに待ったお着付けです。
まだ駆け出しだった私は先輩のサポートに入りました。
先輩がお紐をかけた次の瞬間、女の子の笑顔は消え、驚きの表情に変わりました。
その後、最後まで笑顔は戻らず‥
苦しいはずなのに、問いかけても何も答えず、ただじっと耐えていました。
衝撃でした。
まるでカルチャーショック!
これが着付けの世界なのか?
あの子はもう着物が嫌いになってしまったんじゃないだろうか?
夢を届けるはずの着付けが、どうして笑顔を奪ってしまうのだろう?
あの夜、私はずっと自問自答しました。
そして翌朝、心に誓ったのです。
絶対に苦しい着付けはしない!
あんな思いは、もう誰にもさせない!
それは、私が決めた、あの子との約束。
今振り返ると、あの日こそが「美しい血流着付け」へのスタートだったのだと思います。
もしもこの道に進むことが、私の使命だとしたら‥
あの女の子との出会いも、全てはベストタイミングで用意されていたのかもしれません。
全ては必然。
すべての出来事に感謝。
今、こうして「美しい血流着付け」を多くの方にお届けできること、その原点に、あの子がいてくれたことに、心から感謝しています。
これからも、この思いを胸に、一つ一つのご縁を大切にお着付けしていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。