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着付師としての想い

お客様だけの問題ではない。お着物を着ると体調を崩してしまう原因

お着物を着ている時に体調を崩してしまう方には、いくつかの理由があります。

生まれつき貧血の方や、血流の悪い方。
日頃運動をしない方。または、身体的な理由で運動ができない方。
疲れがたまっていたり、寝不足の方。
朝食を食べずに来られた方。

様々な事情がありますが、お客様の多くは、体調を崩した原因は自分にあると感じておられるため、直接的なクレームに繋がることはあまりありません。

けれど、たとえどんなリスクをお持ちの方でも確かなことは、その日、その方はお元気だったから、そこに来られたのです。お着物を着る前のお洋服の段階では、間違いなく元気だったのです。
何が変わったのでしょうか?

原因は明らかです。
お紐や帯の締めすぎにより血流が悪くなってしまったのです。

お紐を締めすぎると普段通りの呼吸ができず、次第に身体の中が酸欠状態になってしまいます。
生きるために大切なこの酸素が入りづらくなると血流が悪くなり、体温も下がってきます。頭にも血が回らなくなり立っているのも辛くなります。

特に撮影中は、緊張のあまりポージングのあいだ息を止める方もいらっしゃいます
次のポーズにいく際に、思い切り息を吸えれば良いのですが、お紐が苦しいとそうはいきません。
次第に時間とともに気が遠のいて、倒れてしまうのです。

日頃から身体を鍛えている方は、こんな状況であっても乗り越えることはできるのですが、そうでない方にとってはお身体にかなりの負荷がかかってしまいます。

一度お着付けで辛い思いをされると、何かのイベントの時には着物ではなくドレスを選ばれる方は少なくありません。
もしかしたらお客様の着物を着られる機会を奪っているのは、私たち着付け師かもしれません。

山下道子

山下道子

美装流前結び教授・プロ着付師。【主な活動】美装流前結び実演・出張講座・講師育成・出張着付け・プロ着付け師育成

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